UNDERSON UNDERSON MAGAZINE × ハタノワタル

和紙職人・ハタノワタル 和紙の強さと奥深さ

新しさをいとわずに伝統に向き合う

UNDERSON UNDERSONとハタノさんとの出会いは、1号店として昨年オープンしたニュウマン新宿店。商品をディスプレイしている和紙のテーブルは、どんな商品にもしっくりと馴染むやわらかな印象の作品です。「本来、テーブルや日用雑貨のように強度が求められるものは、和紙を固く頑丈に仕上げます。ただ、それではいわゆる“和紙らしい見た目”にならない。和紙ならではの風合いを出すために、このテーブルは普段は採用しない製法でチャレンジしたんですよ。」と軽やかに笑う様子からは、“職人”という頑固なイメージとは真逆の雰囲気が漂います。柔軟性に富み、常に新しい事に取り組むのは、これまでの人生でもフレキシブルな選択を重ねてきたハタノさんならではのスタイルです。

持続可能な社会の実現のために

京都の北部に位置する綾部市に工房を構え、和紙作家・和紙職人として様々な作品を手掛けるハタノさんは、もともと美術大学で油絵を先行。ふとしたことからキャンバスの代わりに和紙を使ったことがきっかけで、和紙の奥深さや強さに惹かれていったと言います。また、学生時代にたまたま訪れた韓国で見た光景も契機に。
「宿泊した安い宿や、町中にある若者向けのお店でも和紙がインテリアに取り入れられていて、伝統的なアイテムがこんなに日常的にかっこよく使われているのって正直悔しいなぁ、と。」
そんな経験を経たハタノさんは、美大卒業後、農業に携わり自然と向き合う中で「持続可能な社会を作りたい」と強く思うように。昔から続く普遍的なものこそまさに持続可能だと思い、自分にとって身近だった“和紙”をテーマに据え、黒谷和紙の職人となります。

※ 韓国では韓紙

和紙の可能性をもっと広げるために

UNDERSON UNDERSONの靴下を愛用してくれているハタノさん。
「手にとったときにはシャリっとした感覚が、履くと不思議と肌にすぅっと馴染んでいき、和紙に包まれる心地よさがありますね。」
「和紙は長持ちで使いやすくて、みんなが思っているよりもずっと強いので、すごく良い相棒になる素材。しかも、本当に驚くほどの可能性を秘めています。”和紙でできた肌着“の誕生は職人としても素直に嬉しいし、自分自身も制作活動を通してもっと可能性を広げていきたいと思っています。できることはもっとあるので、大事な伝統を守りながらも、良い意味で敷居の高さを崩していきたいですね。」

ハタノワタル(和紙職人|和紙作家)

略歴:1971年、兵庫県西淡町(現・あわじ市)生まれ。
1995年、多摩美術大学絵画科を卒業。
北海道での農業生活を経て97年に黒谷和紙の世界へ手漉き和紙の職人となる。
国内外での個展に加え、店舗、住居の壁や、床、家具への和紙の施工など、
かつては暮らしの中で生きていた和紙の可能性を広げ、現代の暮らしに提案している。
https://www.hatanowataru.org/