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MAGAZINE vol.4 spring issue

受け継がれてきた技術や素材で、
今を彩るデザインに

美しさと機能を両立させながら、
受け継がれてきた技術や素材を現代に昇華させる
プロダクトデザイナーの辰野しずかさん。
自身のものづくりやデザインの力について
伺いました。

素材の特性や魅力を読み取り、
“日常に生きる”デザインを

すっとした佇まいのスタイリッシュな備前焼のウォーターカラフェや、繊細なカッティングが施され様々な用途で遊べるレース状の紙、ほっと一息つける有田焼のカップ&プレート。アート作品のような印象さえ受ける魅力的なアイテムを創り出しているのが、プロダクトデザイナーの辰野しずかさんです。
工芸品をはじめとする様々な素材をもとに、その機能を最大限に活かしながらデザインで美しい日用品へと昇華させるのが辰野さんならではのものづくり。大学時代のイギリス留学時に改めて日本の文化・工芸について勉強をしたことがきっかけとなり、デザインで貢献したいと思ったことが今の仕事につながったと言います。

カッティングの技術で紙をレースのように仕上げた紙『948(クシャ)』。華やかさがプラスされ、ラッピング資材としても。

撮撮影当日は「せっかくなので」と
WASHIFABRIC™の白ニットで。「編み込まれた見た目なのに、どこか“紙の集積”という存在感もあり、そこが面白いですね。」

プロダクトの根幹にある、
素材への応え方

紙の印象を訊くと、「ハンス・J・ウェグナーの椅子を始め、多くの家具にペーパーコードが用いられたり、火事の時に和紙を井戸水に浸けても紙が溶けず墨の文字も消えていなかったという逸話もあるくらい、紙は元々強いもの。ただ、現代においては弱くて耐久性が低いという印象が強く持たれている気がします。」
その上でUNDERSON UNDERSONの感想を聞くと、「和紙のように活用が難しい素材が、繊維になり布になり、洋服のカタチになっていることに何よりも驚いています。中でも、ニットの軽くて薄くて不思議な感覚には衝撃が隠せません。」と何度も触感を確かめる姿が印象的でした。
「私自身のものづくりは、日常的に使ってもらえるものが中心。だからこそ、UNDERSON
UNDERSONが、ハレの日の洋服ではなく、デイリーウェアを取り揃えるという“素材への応え方”に、 なるほど!という感覚になり、自分の仕事との共通項も感じています。」

株式会社 Shizuka Tatsuno Studio 代表取締役 /
プロダクトデザイナー

辰野 しずか
Shizuka Tatsuno

1983年生まれ。英国のキングストン大学プロダクト&家具科を首席で卒業。デザイン事務所を経て、2011年に独立。2017年より『株式会社 Shizuka Tatsuno Studio』を設立。家具、生活用品、ファッション小物のプロダクトデザインを中心に、企画からディレクション、付随するグラフィックデザインなどさまざまな業務を手掛ける。 2016年 ELLE DECOR日本版『Young Japanese Design Talents』賞など受賞多数。

1983年生まれ。英国のキングストン大学プロダクト&家具科を首席で卒業。デザイン事務所を経て、2011年に独立。2017年より『株式会社 Shizuka Tatsuno Studio』を設立。家具、生活用品、ファッション小物のプロダクトデザインを中心に、企画からディレクション、付随するグラフィックデザインなどさまざまな業務を手掛ける。 2016年 ELLE DECOR日本版『Young Japanese Design Talents』賞など受賞多数。